SEO会社へ相見積もりを取ると、同じ依頼のつもりでも30万円と100万円のように大きな差が出ることがあります。SEOには決まった商品規格がなく、調査だけを行う会社、記事制作まで担う会社、サイト改修も実装する会社が同じ「SEO対策」という名前で提案するためです。総額だけを比べると、安い見積もりを選んだ後に追加費用が発生する恐れがあります。
この記事では、SEOの見積もりに差が出る7つの理由と、条件をそろえて比較する方法を解説します。見積書を受け取った担当者が、そのまま使える比較表と質問項目も紹介します。
SEOの見積もりに差が出る理由を比較表で確認
SEOの見積差は、主に次の7要素へ分けられます。同じ「月額SEO支援」でも、含まれる作業が違えば金額が変わるのは自然です。まずは総額を隠し、各社がどこまで担当するかだけを並べると、差の正体が見えやすくなります。
| 差が出る要素 | 安い見積もりに多い範囲 | 高い見積もりに多い範囲 | 比較時の質問 |
|---|---|---|---|
| 現状調査 | 簡易診断 | 技術・競合・顧客・検索需要まで調査 | 調査結果は何で納品されるか |
| 戦略 | キーワード一覧 | 優先順位、導線、工程表まで設計 | 誰が何をいつ実行するか |
| 制作 | 構成案や助言のみ | 取材、執筆、校正、入稿まで対応 | 月何本、何文字、修正何回か |
| 実装 | 改善指示のみ | CMSやコードの修正まで対応 | 実装担当と作業上限は誰か |
| 計測 | 順位レポート | 問い合わせ・商談・売上まで分析 | 何を成果とするか |
| 体制 | 一人が兼務 | 専門担当による分業 | 担当者と作業時間は明示されるか |
| 契約 | 作業範囲が限定的 | 保証範囲や支援量が広い | 最低期間、解約、追加単価はいくらか |
見積差は「高いか安いか」ではなく、課題解決に必要な作業が含まれているかで判断してください。相場を先に確認したい場合は、SEO対策の費用相場も参考になります。
SEOの見積もりに差が出る7つの理由
SEOの見積もりに差が出る理由は、大きく分けて7つあります。違いを知らないまま総額だけで選ぶと、契約後に実装や記事制作が別料金だと分かり、必要な施策を進められない場合があります。見積書の金額を同じ条件へ直すため、現状調査から契約条件まで順番に確認しましょう。
現状調査の深さが違う
SEO施策は、現在の検索流入、サイト構造、競合、商品、顧客の悩みを調べてから決めます。安い見積もりでは、計測ツールによる簡易診断と一般的な改善案だけの場合があります。一方、費用が高い会社は、Search Consoleやアクセス解析の確認、全ページの技術調査、競合の検索流入、商談記録の取材まで含めることがあります。調査が深いほど作業時間は増えますが、自社に不要な施策を避けやすくなります。
ただし、調査項目が多ければ良いわけではありません。事業目標と関係のない資料が増えても成果にはつながりません。見積書では「何を調べるか」だけでなく、「調査結果をどの施策へ使うか」を確認することが重要です。診断書、課題一覧、優先順位表など、納品される成果物の名称と形式も質問してください。
戦略設計の範囲が違う
キーワードを一覧にするだけの提案と、売上までの流れを設計する提案では費用が変わります。戦略設計には、誰を集めるか、どの悩みから記事へ導くか、どのサービスページで相談を受けるか、どの順番で公開するかといった判断が含まれます。商品が複数ある会社や、営業地域が広い会社ほど、設計するページと関係者が増えるため見積額も上がりやすくなります。
戦略費が高くても、計画を実行できなければ意味がありません。月ごとの記事本数、改修するページ、社内の確認者、公開期限まで書かれているかを見ます。「SEOコンサルティング一式」だけでなく、意思決定に使える工程表や優先順位が納品されるかを確かめてください。提案後に何をすべきか分からない見積もりは、金額にかかわらず比較し直す必要があります。
記事の本数と制作工程が違う
コンテンツ制作費は、本数や文字数だけでは決まりません。検索意図の調査、構成、専門家への取材、執筆、事実確認、画像、校正、WordPress入稿、公開後の修正まで含むと工程が増えます。低価格の見積もりは構成案だけ、または原稿の初稿までで、専門知識の提供や最終確認を自社が担うこともあります。高価格でも取材や編集が含まれれば、社内作業を減らせる可能性があります。
比較するときは「月4本」の数字だけを見ず、一本ごとの工程を横に並べます。修正回数、画像点数、取材時間、入稿、既存記事の更新も確認しましょう。記事単価の差は、文章量よりも調査と確認に誰が責任を持つかで生まれます。自社の専門家が毎月何時間必要になるかまで計算すると、外注費だけでは見えない実質的な差を判断できます。
サイト改修の実装範囲が違う
SEO会社が改善指示書を作るだけか、WordPressやコードを実際に直すかによって金額は大きく変わります。タイトルや内部リンクの修正は比較的軽い作業ですが、表示速度、構造化データ、重複ページ、サイト構造の変更には技術者が必要です。見積もりが安くても、実装を制作会社へ別途依頼するなら、合計費用は高くなる場合があります。
見積書では、指示書作成、実装、動作確認、公開後の不具合対応を分けて確認します。CMSの権限や既存システムの制約により、SEO会社が触れない範囲もあります。「改善提案あり」を「修正まで含む」と思い込まないでください。実装できる作業の上限時間、対象ページ数、追加作業の単価を先に書面へ残すと、契約後の予算超過を防ぎやすくなります。
担当者の経験と支援体制が違う
担当者一人が調査から記事確認まで行う会社と、戦略、技術、編集、分析を専門担当が分担する会社では人件費が異なります。難しいサイト移行や大規模ECでは分業の価値がありますが、小規模な会社の相談に多人数の体制が必要とは限りません。会社の知名度や人数だけでなく、自社の課題に必要な経験があるかを見極める必要があります。
営業担当の経歴ではなく、契約後に実務を行う担当者を確認してください。定例会へ誰が参加し、質問へ何営業日で回答し、担当変更時にどう引き継ぐかも比較材料になります。高い見積もりは専門性と対応時間を買うものですが、使わない支援まで含まれていれば割高です。自社が必要とする相談頻度と判断の難しさに合わせて体制を選びましょう。
計測と報告の内容が違う
順位表だけを毎月送る支援と、検索流入から問い合わせ、商談、受注まで分析する支援では作業量が異なります。SEOの目的が売上なら、順位が上がったかだけでなく、どのページが相談につながったかを確認する必要があります。そのためには、計測設定、フォームや電話の記録、営業情報との照合が欠かせません。計測環境が未整備な会社では、初期費用が高くなる場合もあります。
GoogleはSEOの変更が検索結果へ反映されるまで、数時間から数か月かかる場合があるとSEOスターターガイドで説明しています。短期の順位だけで評価せず、確認する指標と時期を契約前に決めてください。報告書のページ数ではなく、次月の行動を決められる内容かどうかが重要です。
契約期間とリスク負担が違う
同じ月額でも、3か月契約と12か月契約では総額が異なります。初期費用が安く見えても、最低契約期間が長い、解約に違約金がある、作った原稿を再利用できないといった条件があれば負担は増えます。反対に、短期契約は会社側が初期調査費を回収しにくいため、月額や初期費用が高く設定されることもあります。
契約書では最低期間、解約通知、成果物の権利、アカウントの所有者、データ返却、追加作業の承認方法を確認します。Googleは、検索順位の一位を保証できる業者はいないとSEO業者に依頼する際の公式情報で注意しています。成果保証という言葉より、実施内容と失敗時の改善方法が明確かを判断してください。
金額差を正しく比べる5つの確認項目
SEOの見積もりを同じ条件にそろえる確認項目は、大きく分けて5つあります。この作業を省くと、安い提案に含まれない作業を見落とし、契約後の社内負担や追加費用が膨らむ恐れがあります。対象範囲から成果指標まで順番に整理し、各社へ同じ質問を送りましょう。
対象ページと作業量をそろえる
最初に、対象サイト、商品、地域、ページ数、記事本数、契約月数をそろえます。「サイト全体」と書かれていても、全ページを調査する会社と、主要20ページだけを見る会社があります。記事も新規制作と既存記事の更新では作業が異なります。見積書へ対象URLや上限数を書いてもらうと、後から範囲が違ったという問題を防げます。
月額だけでなく契約総額へ直してください。初期30万円、月額20万円、6か月なら総額150万円です。初期費用なし、月額15万円、12か月なら180万円になります。月額の安さではなく、目的を達成する期間に支払う総額と作業量を比べましょう。対象外のページを追加する単価も確認すると、事業拡大後の費用を想定できます。
成果物と納品形式をそろえる
成果物は、調査報告書、キーワード表、構成案、記事原稿、改善指示書、実装済みページ、月次報告などへ分けます。同じ名称でも内容が違うため、見本を見せてもらうと比較しやすくなります。編集できる表で納品されるか、閲覧だけの資料か、契約終了後も使えるかも重要です。
記事の場合は文字数より、取材、出典確認、図表、修正、入稿、更新の有無を確認します。改善指示書なら、優先度、対象URL、修正例、担当者、期限があるかを見ましょう。成果物を受け取った後、自社が次に何をすればよいか分かる状態が適切です。資料の量だけで高い見積もりを正当化していないかも確かめてください。
自社で行う作業を費用換算する
外注費が安くても、自社で取材調整、原稿確認、画像作成、入稿、サイト修正を行うなら社内工数がかかります。担当者の時給を厳密に計算できなくても、月に必要な時間を見積書へ加えると比較が変わります。たとえば月20時間の自社作業が必要な提案と、月5時間で済む提案では、差の15時間も実質的な費用です。
各社へ「当社側で必要な作業と月間時間」を質問してください。社内確認が遅れると公開も遅れ、SEO会社だけでは予定を守れません。外注費と社内工数を足した金額が、本当のSEO費用です。Web担当者が他業務と兼務している場合は、時間を確保できるかまで確認し、実行できない作業を含む提案は範囲を調整しましょう。
追加料金と契約条件を確認する
基本料金に含まれない作業と単価を一覧にします。追加記事、取材、画像、サイト修正、緊急対応、定例会の追加、ツール利用料などが対象です。「必要に応じて別途見積もり」だけでは予算を管理できないため、想定される追加作業の例と承認手順を確認してください。依頼者の承認前に費用が発生しない条件も必要です。
契約期間、更新方法、解約通知、違約金、成果物の権利も横に並べます。月額が低くても一年契約なら、短期契約より総負担が大きい場合があります。追加費用の上限と、契約終了後に何が手元へ残るかを確認してください。Search Consoleやアクセス解析の権限は自社が所有し、終了時にデータを失わない状態が望ましいでしょう。
成果指標と確認時期を決める
各社の成果指標が違うと、提案の価値を比べられません。検索順位、表示回数、クリック、問い合わせ、商談、受注のうち、どこまで支援対象かをそろえます。検索数の多い語句で順位を上げても、自社の顧客でなければ売上にはつながりません。最終目標から逆算し、途中の指標を決めてください。
評価時期も重要です。技術修正は公開後のクロールやインデックスを確認し、記事は検索表示と問い合わせへの影響を一定期間追います。「いつまでに何を確認し、悪ければ何を変えるか」が書かれた見積もりは、金額の根拠を判断しやすくなります。一位保証ではなく、仮説、実施、計測、改善の流れを比較しましょう。
SEO見積もりを比較する5つの手順
SEO見積もりを比較する手順は、大きく分けて5つあります。見積書を届いた順に読むと、各社の用語や書式に引っ張られて条件差を見落とします。一枚の比較表へ転記し、空欄を質問で埋めると判断しやすくなります。目的の確認から社内決裁まで、次の順番で進めてください。
「6か月後までに法人向けサービスの相談を月5件増やす」のように、対象、成果、期限をそろえます。
調査、戦略、制作、実装、計測、体制、契約条件の欄へ、見積書の内容を転記します。
成果物、作業上限、自社工数、追加単価、解約条件を各社へ同じ文面で質問します。
初期費用と月額の総額に、社内担当者が使う時間を加え、実行に必要な総負担を比べます。
目的達成に欠かせない作業が含まれ、担当者と改善方法が明確な提案を選びます。
比較表の空欄が多い会社へ発注を急がないでください。質問への回答の速さや分かりやすさも、契約後の支援品質を判断する材料になります。会社選び全体は、SEO会社の選び方でも詳しく解説しています。
100万円と30万円の見積もりを同じ条件に直す例
次は架空の比較例です。A社は月額100万円で、調査、月4本の記事、入稿、月20時間までの実装、計測、定例会を含みます。B社は月額30万円で、調査、記事の構成案4本、改善指示、順位表を提供します。総額だけを見るとB社が70万円安いものの、記事執筆、入稿、実装を自社または別会社が担当します。
| 比較項目 | A社:月100万円 | B社:月30万円 | B社で別途必要な作業 |
|---|---|---|---|
| 調査・戦略 | 含む | 含む | 詳細範囲を確認 |
| 記事4本 | 取材・執筆・入稿まで | 構成案のみ | 執筆、校正、画像、入稿 |
| サイト修正 | 月20時間まで実装 | 指示書のみ | 制作会社への実装依頼 |
| 計測 | 問い合わせまで分析 | 順位表 | 計測設定と商談照合 |
| 自社作業 | 確認中心 | 制作と進行管理 | 担当者の作業時間 |
B社へ記事制作40万円、実装20万円、計測支援10万円を追加すると、合計は100万円になります。実際の単価は会社や条件で異なりますが、考え方は同じです。見積差70万円がそのまま利益になるのではなく、誰かが担う未計上の作業である場合があります。反対に、自社で制作と実装ができるならB社の方が合理的です。自社に足りない機能だけを買う視点で選びましょう。
安くても選ばない方がよい見積もり
見積額が安いこと自体は問題ではありません。自社に実行力があり、助言だけを必要とするなら低価格の支援が合う場合もあります。ただし、施策の目的や担当範囲が説明されず、検索順位だけを保証する見積もりは注意が必要です。契約後に何を行うか分からず、問題が起きても責任の所在を確認できません。
Googleは、順位保証、Googleとの特別な関係、優先登録を宣伝する業者への注意を促しています。また、業者が行った不適切な施策でも、最終的な責任はサイト所有者にあります。施策の根拠をGoogle公式情報と照らして説明でき、サイトへ加えた変更を開示する会社を選んでください。不自然なリンク購入、無断の大量ページ作成、アカウントを自社へ渡さない条件がある場合は契約前に立ち止まりましょう。
SEOの見積もりでよくある質問
SEOの相見積もりは何社に頼めばよいですか
目安は2〜3社です。一社だけでは相場と範囲を判断しにくく、会社数を増やしすぎると説明や質問への対応に時間がかかります。候補を選ぶ前に、SEOの目的、対象商品、現在の課題、予算、期限、自社でできる作業を一枚へまとめ、全社へ同じ条件を渡してください。条件が違えば、届く見積もりも比べられません。
会社数より、同じ質問への回答を比較できることが重要です。見積額、成果物、実装範囲、自社工数、追加単価、契約期間の6点を共通項目にしてください。専門用語をかみ砕いて説明できるか、できないことも明示するかを見ると、契約後の相性も判断しやすくなります。
一番安いSEO会社を選んではいけませんか
必要な作業が含まれていれば、最も安い会社を選んでも問題ありません。自社に編集者や技術者がいて、外部には分析と優先順位だけを求める場合、助言中心の安い見積もりが適しています。反対に、社内で実装できない会社が指示書だけの支援を選ぶと、提案が実行されず費用を無駄にする恐れがあります。
安さではなく、目的達成までの不足作業が最も少ない提案を選んでください。不足分を別会社へ頼む費用と、社内担当者の時間を加えても安いかを計算します。契約後に支援範囲が合わないと分かった場合は、SEO会社を変えるタイミングも判断材料になります。
見積書だけで判断できない場合はどうしますか
見積書の空欄を埋める質問会を設けてください。自社サイトの課題を一つ挙げてもらい、なぜ優先するのか、誰が直すのか、完了をどう確認するのかを聞きます。回答が具体的なら、提案から実行までの流れを想像できます。反対に、質問しても「状況に応じます」だけで作業上限や判断基準が分からない場合は比較を続けるべきです。
社内にSEOの判断者がいないと、各社の説明が正しいか見極めにくいことがあります。発注先とは別の専門家へ見積もりの診断だけを相談する方法もあります。当社では、無料相談と月額制のWeb顧問を用意しています。サービス内容や契約範囲を推測で決めず、自社の体制と見積書を基に必要な支援を整理してください。
まとめ|SEOの見積もりの差を作業範囲で比べよう
SEOの見積もりに差が出る主な理由は、現状調査、戦略設計、記事制作、サイト改修、支援体制、計測、契約条件の範囲が会社ごとに異なるためです。総額だけで決めず、対象ページ、成果物、自社で行う作業、追加料金、成果指標を同じ条件へそろえて比べましょう。
まずは各社の見積書を一枚の比較表へ転記し、含まれない作業と追加単価を確認してください。目的と期限に必要な作業を見分けられれば、安さだけで選んだ後の予算超過を避け、自社が納得して依頼先を判断できるようになります。
株式会社shicooでは、SEOの見積書に含まれる作業の整理から、事業目標に合う施策の優先順位付け、実行まで支援しています。「各社の提案の違いが分からない」「自社に必要な範囲を判断できない」という場合は、見積書をお手元に無料相談をご利用ください。












