「一括サイトに加盟すればリフォームの仕事は増えるのか」「見積もり依頼は来るのに、値引きばかり求められる」と悩んでいませんか。
一括サイトで集客するには、受けたい工事と着工できる枠を先に決め、紹介条件を合わせることが大切です。依頼が増えても、現地調査の負担や工事原価が重なれば、利益は残りにくくなります。
この記事では、紹介方式の違い、加盟費用、相見積もりへの対応、採算の確認方法を整理します。読み終える頃には、自社で増やすべき案件を絞り、加盟先に確認する条件と営業の進め方を決められるでしょう。
一括サイトで集める工事は着工できる枠から決める
リフォームの一括サイトは、工事を考えている人と施工会社をつなぐ集客経路です。問い合わせや商談の機会を得られる一方、依頼された工事を受注できるかは、提案内容や工期などの条件によって変わります。
集める案件は「何件ほしいか」より、「どの工事をいつ施工できるか」から決めましょう。営業だけが相談を受け続けると、職人の予定が合わず、見積もりを出した後に着工できない状況も考えられるためです。
例えば、設備交換を増やしたい会社が、大規模な間取り変更まで広く受け付けると、設計や調査に時間がかかります。売上の大きさだけで判断せず、自社が得意な工事の範囲を書き出してください。
以下は、自社の条件を整理するための記入例です。業界共通の基準ではないため、実際の体制に合わせて調整しましょう。
| 整理する項目 | 記入する内容の例 | 紹介を受ける前の判断 |
|---|---|---|
| 工事の種類 | 浴室交換、内装、全面改修など | 主に増やしたい工事を決める |
| 建物の条件 | 戸建て、マンション、築年数 | 自社で調査や施工ができるか |
| 対応地域 | 現地調査と施工管理に通える範囲 | 移動の負担を含めて判断する |
| 着工の時期 | 職人や協力会社の空き予定 | 希望時期に対応できるか |
| 営業の受け入れ枠 | 現地調査と見積作成に使える時間 | 新規相談を扱い切れるか |
「得意な工事でも、今は受けられない」という判断も必要です。工事の空きと営業の空きを別々に確認すると、集客を増やした後の無理を減らせます。
リフォーム会社の紹介方式はサイトごとに異なる
一括サイトを同じ仕組みだと考えると、加盟後に必要な営業の準備を取り違えます。ここでは、会社側の公式案内を確認できる3サービスを、顧客と出会う方法で比較しました。
比較するのは知名度だけでなく、紹介された時点で何が確認され、自社はどこから対応するのかです。以下はおすすめ順位ではなく、資料請求先を絞るための整理となります。
| サービス | 公式案内で確認できる紹介方式 | 自社で確かめたいこと |
|---|---|---|
| ホームプロ | 通常応札では、匿名の申込案件に会社が立候補し、メール商談へ進む。別にカウンター経由の紹介もある | どの紹介方式を使えるか、担当者がメッセージ対応を担えるか |
| リショップナビ | 対応地域、施工箇所、紹介数を事前設定。紹介前に希望内容を確認する | 希望する工事の紹介条件、連絡先の確認状況、自社から連絡するタイミング |
| ハピすむ | 希望内容や予算を聞き取り、会社が案件を選択。現地調査の日程調整まで支援する旨を案内 | 現地調査の成立条件、予定変更時の対応、自社の訪問枠との調整方法 |
出典:表内の各社公式加盟案内。確認日:2026年9月26日。サービス内容や契約条件は変更される場合があります。リショップナビの事前確認は、一部で電話ではなくフォームによる場合もあります。
匿名の段階から対応する方式なら、短い説明で自社の強みや施工事例を伝える準備が必要でしょう。一方、現地調査の予定を調整してもらえる方式では、訪問できる日時と担当者を共有できる体制が重要になります。
紹介会社による聞き取りは、自社の現地確認や提案を不要にするものではありません。工事の範囲や建物の状態は、引き継がれた情報と照らし合わせて確かめてください。
加盟料金は課金の時点をそろえて比較する
施主が無料で使えるサイトでも、リフォーム会社側の利用まで無料とは限りません。会社側の資料で、初期費用、固定費、案件紹介時の料金、成約時の料金を分けて確認しましょう。
ハピすむの加盟案内には、現地調査確約案件のみ手数料が発生し、月額と年会費は0円と記載されています。ただし、案件ごとの金額などをすべて公開しているわけではありません。ハピすむの会社向け案内
今回確認したホームプロとリショップナビの加盟募集ページでは、自社に適用される詳細な料金表は確認できませんでした。古い比較記事の金額をそのまま予算に入れず、最新の条件を運営会社へ問い合わせてください。
「何円か」と同時に、「何が起きたら払うのか」を書面で確認することが大切です。紹介を受けた時点で発生する費用と、受注した場合だけ発生する費用では、失注が続いたときの負担が異なります。
| 運営会社へ聞く項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 最初に必要な費用 | 加盟や登録の費用、預け金の有無、返金条件 |
| 毎月の費用 | 固定費、最低利用額、休止中の支払い |
| 案件ごとの課金 | 紹介、現地調査、成約など、課金が確定する時点 |
| 紹介後の変更 | 連絡不能、調査中止、工事内容変更の扱いと申請期限 |
| 成約後の扱い | 追加工事、減額、解約が料金計算に与える影響 |
| 利用を減らす条件 | 紹介数の変更、休止、解約の期限と必要な手続き |
表は質問すべき項目を示したもので、すべてのサービスに同じ費用や制度があるという意味ではありません。回答を受けた日と担当窓口も残しておくと、後で条件を確かめやすくなるでしょう。



「月額無料」と「営業費がかからない」は別です。紹介料に加え、訪問と見積もりに使う時間も予算に含めてください。
相見積もりでは価格より先に比較条件をそろえる
相見積もりへの対応で整理したい点は、大きく分けて3つあります。現地調査前の確認、見積書の作り方、施工事例の見せ方を整えると、値引きだけに頼らず提案を比較してもらいやすくなるでしょう。順番に具体化します。
ホームプロの「2018年リフォーム実態調査」では、成約アンケート回答者5,481人のうち、契約理由としてプランや提案内容を挙げた割合は70.2%、見積もり金額への納得感は69.2%、対応の早さは63.1%でした。複数回答のため、合計は100%になりません。株式会社ホームプロの調査原典・10ページ


図:株式会社ホームプロ「2018年 リフォーム実態調査」10ページの公表値を基に作成。対象は2018年中の工事完了報告者のうち、初回申込時のアンケートに回答した人で、図は成約アンケート回答者5,481人を集計しています。調査原典
これは過去の利用者調査で、現在の全国平均ではありません。また、「金額への納得」は「最安値」と同じ意味ではないため、安さだけで選ばれると読み替えないことが重要です。
現地調査の前に工事の優先順位を聞く
現地調査を決める前に、施主が今回の工事で解決したいことを確認します。「浴室を新しくしたい」という相談でも、故障への対応、掃除の負担、寒さの改善では、提案すべき内容が変わるはずです。
質問は、困っていること、希望する完成時期、予算の考え方から始めましょう。聞き取りだけで価格を確定せず、写真などで分かる点と、現地で確認しなければ分からない点を分けることが基本となります。
すべての要望を並べるのではなく、必ず実現したいことを一つ決めてください。予算内に収めるための変更案を考えるときも、この優先順位が判断の軸になるでしょう。
訪問前には、確認する場所、所要時間の目安、用意してほしい資料を伝えます。マンションなら管理規約などの確認が必要になる場合もあるため、分かる範囲で準備をお願いしてください。
相見積もりの件数をしつこく聞くより、何を比べて決めたいのかを尋ねる方が、提案の方向を合わせやすくなります。訪問を急がせず、施主が納得した予定を共有しましょう。
見積書では含む工事と含まない工事を分ける
見積もり金額だけを比較すると、設備の仕様や工事範囲の違いが見えなくなります。同じ浴室交換でも、選ぶ製品、周囲の補修、処分費などが違えば、総額も変わると説明してください。
見積書には、製品の型番や数量、施工範囲、撤去や処分の扱いを具体的に記載しましょう。「一式」とだけ書く項目がある場合は、何を含んでいるのかを別に示す方法も取れます。
値引きに応じる前に、相手が同じ工事内容を比べられているか確認することが重要です。他社を否定するのではなく、自社の見積書だけでも条件が分かる説明を添えてください。
現地調査で確認できなかった部分は、追加工事が必要になる条件と、その場合の確認手順を伝えます。発生するか分からない費用を確定額のように扱わず、どの段階で判断できるかも共有しましょう。
予算調整が必要なら、製品の変更や施工範囲の見直しを案として示します。金額を下げた代わりに何が変わるのかが見えると、施主が納得して選ぶための材料になるはずです。


同じ2018年の調査を工事費用別に見ると、50万円未満の回答者1,824人では「見積もり金額の納得感」が72.1%、500万円以上の546人では「プラン・提案内容」が84.8%でした。上図は、この2つの契約理由と2つの費用帯を抜粋しています。株式会社ホームプロの調査原典・10ページ
この違いは、工事別に説明の重点を考える材料になります。例えば、大きな改修では間取りの変更理由や暮らし方への提案を丁寧に伝え、小さな工事でも総額に何が含まれるかを明確にする使い方が考えられるでしょう。ただし、過去の回答割合から自社の受注率や値上げの効果まで予測できるわけではありません。
施工事例は相談内容に近いものを見せる
施工事例は、件数の多さだけでなく、今回の相談にどの程度近いかを意識して選びます。設備交換の相談に全面改修の写真だけを見せても、自分の工事を任せられるか判断しにくいでしょう。
建物の種類、工事の目的、予算帯、施工範囲が近い事例を使い、何に困っていた施主へどのような対応をしたか説明してください。完成写真だけでは伝わらない、選択した理由も短く添えると比較に役立ちます。
過去の事例と今回の物件で条件が違う点も伝えましょう。同じ設備を使っていても、配管や下地の状態によって必要な工事が変わるため、過去の金額を今回の確定価格として見せない配慮が必要です。
掲載する写真や施主の声は、使用の許可を得たものに限ってください。住所や表札などが分かる写真は避け、公開できる範囲を確認しておきます。
事例が少ない会社は、架空の実績を作るのではなく、担当する人、調査で見る項目、見積もりの説明方法を具体的に示してください。確認できる事実を積み重ねることが、依頼前の不安を減らす材料になるでしょう。
一括サイト経由の工事は値引き後の採算を確かめる
受注できても、工事原価と営業の負担を引いた後に十分な金額が残らなければ、集客方法を見直す必要があります。ここでは、値引きの影響を考えるための仮定の計算を示します。
以下は市場相場でも支援実績でもありません。金額はすべて税抜とし、工事原価には材料費や施工の人件費などを含め、営業担当者の費用と重ねて計上しない想定です。
| 項目 | 値引きしない場合 | 10万円値引きした場合 |
|---|---|---|
| 受注額 | 100万円 | 90万円 |
| 工事原価 | 70万円 | 70万円 |
| 工事粗利(受注額-工事原価) | 30万円 | 20万円 |
| その案件に配分した媒体費 | 5万円 | 5万円 |
| その案件に配分した営業費 | 6万円 | 6万円 |
| 上記の費用を差し引いた残額 | 19万円 | 9万円 |
原価などを同じと置くと、受注額を10%下げた場合、表の残額は19万円から9万円へ減ります。家賃や共通管理費などをすべて引いた最終利益ではない点には注意してください。
「あと少し安くすれば受注できる」と考えたら、契約額ではなく残る金額を再計算しましょう。成約額に応じた手数料がある場合は、値引き後の金額で媒体費も計算し直す必要があります。
営業費には、受注した案件だけでなく、同じ工事区分で失注した相談の訪問や見積作成の負担も配分します。受注できた案件だけを集計すると、一括サイト全体の費用を少なく見積もってしまうためです。
設備交換と全面改修は、分けて記録してください。平均の受注額だけを見るよりも、工事別に現地調査の回数、営業時間、工事粗利を並べる方が、自社に合う紹介条件を絞りやすくなります。



受注件数を増やす前に、「同じ施工枠を使って何が残るか」を確認しましょう。契約が取れたことと、会社にとってよい仕事だったことは分けて考えてください。
加盟後は4つの手順で営業と施工の引き継ぎを整える
加盟後の運用は、大きく分けて4つの手順で整えられます。営業で聞いた条件を施工側へ引き継げれば、説明のやり直しや着工時期の行き違いを防ぐ助けになるでしょう。次の順番で、担当者と記録する内容を決めてください。
工事種別、地域、着工できる時期、現地調査の空き枠を営業と施工で確認します。運営会社へ伝えた設定と社内の予定をそろえましょう。
要望、写真、寸法、確認できなかった箇所を案件ごとに保存します。写真を送る場合も、施主の情報を必要以上に共有しないよう注意してください。
見積書を渡すだけで終えず、説明する日と次に確認する内容を相談します。施主が検討中なら、希望する時期に合わせて連絡しましょう。
製品、工事範囲、除外項目、工期、施主との約束を共有します。完了後は当初の原価見込みと実績を照らし合わせ、次の案件選びに生かしてください。
この手順は本記事で整理した運用例です。各サイトの報告方法や契約上の期限を優先し、社内の管理表へ必要な欄を追加しましょう。
リフォーム会社の一括サイト集客で迷いやすい2点
利用を決める前に確認しておきたい疑問は、2つあります。小規模な会社で使えるか、複数サイトへ同時に加盟すべきかを整理すると、無理な導入を避けやすくなるでしょう。それぞれの判断方法を説明します。
小規模なリフォーム会社でも利用できるか
会社の規模だけで利用できるとは判断できません。加盟審査や対応地域などの条件があるため、自社の実績や体制を伝えて、運営会社に確認する必要があります。
例えば、ホームプロの募集要項では、直近2期分の決算書や、サービス提供に必要な資格や許可などを審査内容として案内しています。創業間もない会社や専門工事に絞った会社は、条件に合うかを先に問い合わせてください。ホームプロの募集要項
審査に通ることと、紹介された相談へ十分に対応できることは別です。現場に出る人が営業も兼ねる場合は、返答する時間や、不在時に依頼を確認する役割を決めておきましょう。
初めから幅広い工事を受け付けず、施工経験のある分野に絞る方法が考えられます。ただし、紹介数を減らせるか、休止できるかはサービスごとの契約条件によるため、自由に変えられると決めつけないでください。
無理なく対応できる件数から始め、営業と施工の負担を記録して見直すことが、小さな会社でも判断を誤らないための基本となります。
複数の一括サイトを同時に使うべきか
複数のサイトを使えば、自社に合う案件と出会う入口を広げられる可能性があります。一方で、同じ施主が別のサイトから相談した場合の確認や、それぞれの運営会社への報告も必要になるでしょう。
初めて利用するなら、一つのサイトで紹介から工事完了までの記録を取れるようにしてから、追加を検討する方法があります。最初から契約数だけを増やすと、どの紹介条件が自社に合っていたのか判断しにくいためです。
追加する理由は「案件数がほしい」だけでなく、今のサイトで足りない工事や地域を補えるかで考えてください。同じ種類の相談が増えるだけなら、現地調査の枠が先に足りなくなる可能性もあります。
重複した相談の料金や報告の扱いは、各社に確認しておきましょう。独自に課金対象外と決めたり、紹介元を隠したりせず、契約に沿って処理する必要があります。
一括サイト以外の問い合わせでも失注が続くなら、共通する説明や対応の問題も点検してください。集客全体を整理する際は、Web集客できない7つの原因も参考になります。
まとめ|リフォーム会社の一括サイト集客は受けたい工事から始めよう
リフォーム会社が一括サイトで集客する際は、受注数だけでなく、施工できる工事と着工時期を基準に紹介条件を決めることが重要です。紹介方式と課金の時点を確認し、現地調査の負担や値引き後の残額まで含めて、自社に合う使い方を選びましょう。
まずは増やしたい工事を一つ選び、地域、施工枠、現地調査に使える時間を書き出してください。その条件で加盟資料を取り寄せ、見積書の説明と営業の引き継ぎを整えます。受け入れ条件が明確になれば、必要な相談を増やしつつ、対応し切れない案件を抱える状況を避けやすくなるはずです。
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